【Jリーグ】親会社の有無による営業収入格差とチーム成績について

J1

「チームの強さ=営業収入」

という定説が説かれる昨今。
サポーターにも営業収入と比例してチーム成績が決まるイメージが徐々に定着しています。
営業収入とは簡素に表現すると自由に使える”お金”です。
いいチームを作るにはたくさんの”お金”が必要です。
優秀な監督・選手は往々にして移籍金や年俸が高くなります。国内外のクラブがよりよい条件でいい選手を引き抜こうとするので、その引き留めをするためにはより良い給料を提示する必要があります。
レベルの高いチームを作る・維持するにはお金が必要なのです。
Jリーグ各カテゴリの平均営業収入を比較するとJ1>J2>J3となっており、やはりレベルの高いカテゴリではお金が必要なのが分かります。
ここ数年、裕福なJ1クラブがシーズン開幕後にJ2の優秀な選手を獲得することが増加しています。
今夏では、水戸から横浜FMへ伊藤選手、金沢から湘南へ毛利選手、山形から松本へ阪野選手が移籍しました。
これはJ1クラブがJ2クラブよりもお金を持っており、環境や給料等いい条件を選手に提示したうえで、J2クラブに対して移籍金を払える資金力があるからできることです。
みなさんの日常生活同様にサッカーでもお金はとっても大切です。

そこで今回注目したのが”親会社”。
Jリーグでは親会社を持つクラブは営業収入が高い傾向です。
そこで
「親会社の有無によってチーム成績に差が出る」
という仮説を立てました。
今回はJ1リーグを対象に検証を行います。

Jリーグを楽しむための一つの数字遊びとして見て頂ければと思います。

そもそも親会社って?

親会社とは・・・
一般には、2社以上の会社が支配従属関係にあるとき、他の会社(=子会社)を支配している会社のことを親会社という。 
具体的には、子会社の議決権の過半数を所有していること(持株基準=形式基準)、または議決権の40%以上50%以下を所有している場合でも、子会社と緊密な関係があることにより、自己の意志と同一の内容の議決権を行使するものが議決権の過半数を占めている場合(支配力基準=実質基準)や、役員等が取締役会等の構成員の過半数を占めている場合(支配力基準=実質基準)なども親会社という。 

野村証券│証券用語解説

Jリーグに例えて簡単に表現するとクラブを自由に運営する権利が与えられるということです。
極端な話、株式を40%以上持っているとエンブレムやチーム名、チームカラーを変えることもできます。
直近では鹿島アントラーズの株式をメルカリが日本製鉄から購入したことが話題になりました。

親会社を持つクラブの具体例として下記のクラブが挙げられます。
横浜F・マリノス:日産自動車(持株比率:74.4%)
ヴィッセル神戸:楽天(持株比率:100%)
鹿島アントラーズ:メルカリ(持株比率:61.6%) 等

分析内容と方法

今回の分析は以下の2つになります。
親会社の有無による営業収入の比較
②親会社の有無によるチーム成績の比較
分析対象:J1リーグ 2009~2018

各分析の詳細は下記の通りです。

①親会社の有無による営業収入の比較
・Jリーグ決算情報が公開された2011年~2018年のデータが対象。
・全18チームを親会社の有無によってカテゴライズ。
・営業収入を親会社有りチームの平均値、親会社無しチームの平均値、リーグ平均値の3つに分けてグラフを作成
・実際の営業収入の差を比較

②親会社の有無によるチーム成績の比較
・2009年~2018年のJ1リーグ戦の順位表を作成
・優勝回数、平均順位等の数字を比較

※親会社の有無のカテゴライズ方法と特記事項
・親会社の有無
〇⇒鹿島、柏、横浜FM、名古屋、G大阪、神戸 等
×⇒札幌、鳥栖、清水、湘南、甲府 等
△⇒広島、仙台
<特記事項>
・広島⇒ △の理由: 旧母体が大口スポンサー、出資者としてチームを支えている。また エディオンが株式の40%を取得し、経営やスポンサードでチームを支えているが、親会社ではない。(エディオン公式サイトにも子会社記載なし)。
・仙台⇒△の理由:旧母体が大口スポンサーとしてチームを支えているため。
・神戸⇒楽天子会社に入る以前も親会社有りとする。
・福岡⇒2014以前は親会社無し。2015年以降は親会社有り。

分析結果①:親会社の有無による営業収入の比較

分析結果は下記の通りです。

親会社有クラブの該当期間平均営業収入:約42億4400万円
・親会社無クラブの該当期間平均営業収入:約23億7500万円
・平均営業収入の平均差額:約18億8600万円
・最高平均差額:2018年 約27億1000万円
・最低平均差額:2014年 約13億6700万円

<まとめ>
親会社有クラブの方が圧倒的にお金を稼いでいることが実際の数値で分かりました。
親会社からの広告収入が大きな要因です。
加えて、オリジナル10をはじめとする長い歴史を持つクラブが多く、新興クラブと比較し、クラブとして経営面の上積みも大きいです。
DAZNがJリーグに参入以降は、収入差がさらに大きくなっているので、親会社を持たないクラブは今後も厳しい状況が続きそうです。

分析結果②:親会社の有無によるチーム成績の比較

分析結果は下記の通りです。

J1リーグ順位表 2009年-2018年
※白:親会社有 桃:親会社無 青:その他

リーグの平均所属クラブ数>
親会社有⇒11.5クラブ
親会社無⇒4.7クラブ

<平均順位>
親会社有⇒8.5位
親会社無⇒12.7位

<優勝回数と最下位回数>
親会社有⇒優勝:7回 最下位:5回
親会社無⇒優勝:0回 最下位:5回

<降格圏内クラブ数(16位以下 10年:30枠)>
親会社有⇒16/30
親会社無⇒14/30

<降格圏内に入る確率>
親会社有⇒14%
親会社無⇒36%

<親会社無しのクラブが3年以上のJ1残留>
3年以上残留チーム数:4クラブ
・新潟ー2009-2016
・清水ー2009-2014
・鳥栖ー2012-2018
・甲府ー2013-2016

<まとめ>
やはり営業収入と結果は相関性が強い傾向です。
親会社を持たないクラブが優勝したことはありません。かつトップリーグであるJ1に所属するチームの多くは親会社を持っています。
もちろん10年の歴史の中で、親会社があるが降格してしまったチーム、親会社があるにも関わらずJ2から昇格できなかったチームもあります。
サッカーは人間が行うスポーツです。
大前提としてお金をうまく使わなければいい結果が出ることはありません。例えば、良い選手を獲得できない、獲得した選手の嚙み合わせが悪い等が挙げられます。
また選手も人間ですので、精神的な問題がピッチ内外に波及し、悪い結果を生むこともあります。そこがサッカーの難しいところです。

仮説 「親会社の有無によってチーム成績に差が出る」
は様々な数値を見ても全体の傾向として正しかったといえるでしょう。

-総括と今後のJリーグについて-

親会社の有無、すなわち営業収入の差額でチーム成績が変動することが分かりました。
やはりお金は大切です。
スポーツの世界ではお金がたくさんあればあるほどいいことです。
Jリーグは、数年前にDAZNが大金を持って参戦してくれたおかげで、各クラブの収入は増加しました。
しかし、親会社の有無によって営業収入に大きく差が出ています。強いチームに多くお金を分配しているからです。そしてこの流れは止まらないと予測します。
そして、収入の差はあるにも関わらず、勝利や残留を目指すゆえに、強化費として湯水のごとくお金を使う現状。

今後、親会社を持たないクラブはより厳しい状況が待ち受けています。
勝利以外の価値観の追求、そして親会社を付ける努力が必要かもしれません。
今後、親会社を持たないクラブはどのようにチーム運営を行っていくのか注目です。

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